賭博師は祈らない 周藤蓮
あらすじ
時は18世紀末、ロンドンに一人の賭博師がいた。男の名はラザルス。店から目をつけられることを嫌う彼は大金を稼ぐようなこともせず、ただ毎日を暮らしていくための小銭を稼いで過ごしていた。そんなある日、彼は間違って大勝してしまう。そしてそれを消費するために仕方なく購入させられた商品、それは奴隷の少女リーラだった。喉を焼かれ声も出せず、感情すら失くした彼女との不思議な共同生活。徐々に心を通わせていく二人にある事件が起こる___
点数 100点中95点
感想 ※ネタバレ注意
一言で言うと「凄い」。これに限ります。文章はそこまで特別じゃない。可もなく不可もなくっていう感じなんですが、内容が素晴らしい。完全にストーリーで勝負している作品です。
感情の失われたリーラがラザルスと生活することにより人間らしさを取り戻していく。その心の変化の仕方もとてもよく書けているし、起承転結もしっかりとしている。小説のお手本のような作品です。
電撃小説大賞をとってもいい様な作品なんですけど、やはり「86ーエイティシックスー」に比べると文章の重さが軽いかな、と感じます。まぁ内容が違うんでそんなの当たり前なんですけどね。
続けれるような終わり方をしているので人気があれば続刊が出ると思います。個人的には来て欲しいですね。とてもいい作品でした。